何度も通った景色が
どんどん遠のいていく。
長すぎたバスの時間が
嘘のように早く流れてく。
全部過去になってくの、不思議だったな。
生まれた町が、自分の町じゃなくなってく。
一瞬で過去になったらいいのに、
現実は思い出たちを少しずつ追いやっていくみたいで。
くもり空でよかった。
晴れすぎた空も雨降る空も、
こんな気持ちにはかなしすぎて。
それでもこの町がにぎわってる。
ただそれだけでうれしかったね。
「うん、実家 来月引っ越しちゃうから、
最後の花火のつもりなんだ。
これから近くの喫茶店でごはん食べる。
相変わらず脚いたいけど、
ゆっくり向かってるよ。」